登録日:
2025-02-08
最終更新日:
2025-03-21
CQRS方式とは?
CQRS(Command Query Responsibility Segregation, コマンド・クエリ責務分離) とは、システムの読み取り(Query)と書き込み(Command)の責務を分離するアーキテクチャパターンです。 従来のCRUD(Create, Read, Update, Delete)をベースにしたアーキテクチャとは異なり、読み取りと書き込みで異なるデータモデルやストレージを使用できる点が特徴です。
CQRSの主な特徴
コマンド(Command)
- データの変更(作成、更新、削除)を担当する。
- 状態を変更するため、通常、データベースに書き込みを行う。
- 変更はイベントとして扱うことが多い(イベントソーシングと組み合わせることもある)。
クエリ(Query)
- データの取得を担当する。
- 読み取り専用のデータモデルを用いることが可能。
- 最適化されたデータストアを使用し、パフォーマンス向上を図る。
CQRSのメリット
スケーラビリティ
- 読み取りと書き込みを別々にスケールできる。
パフォーマンス向上
- 読み取り専用のデータモデルを最適化することで、高速なクエリが可能。
複雑なビジネスロジックを整理しやすい
- コマンドとクエリを分離することで、責務を明確にできる。
- 変更の影響範囲を小さくできるため、メンテナンスがしやすくなる。
イベントソーシングとの親和性
- データ変更をイベントとして管理し、過去の状態を再現できる(監査ログや履歴管理が容易)。
CQRSのデメリット
システムの複雑化
- 書き込みと読み取りを別々に管理する必要があり、設計・実装の負担が増加する。
データの整合性の問題
- 読み取り用データが非同期で更新されるため、一時的に整合性が崩れることがある(最終的な一貫性)。
開発・運用コストの増加
- 別々のデータストアを管理する場合、インフラやデータの同期処理が必要になる。
CQRSの適用シナリオ
- 高トラフィックなアプリケーション(ECサイト、SNS など)
- リアルタイムデータ分析(ダッシュボード、ログ監視システム)
- イベント駆動アーキテクチャ(マイクロサービスやイベントソーシングを採用しているシステム)
- 複雑なドメインロジックを持つシステム(金融、医療、ERP など)
CQRSの実装例
単純なCQRS(リード/ライト分離)
- 書き込み用DB(例: MySQL, PostgreSQL)
- 読み取り用DB(例: NoSQL, Elasticsearch, Redis)
- アプリケーションが書き込みと読み取りで異なるエンドポイントを持つ
イベントソーシングとCQRSの組み合わせ
- コマンド処理時にイベントを発行(例: 「ユーザー登録完了」イベント)
- イベントを購読するプロセスが読み取りモデルを更新
- 読み取りリクエスト時に、最適化されたデータベースを参照