登録日： 2025-03-09 最終更新日： 2025-03-14

第1章 1.2. 開発環境のセットアップ

PHPを実行して開発するためには、まず適切な開発環境をセットアップする必要があります。代表的な環境セットアップ方法として、XAMPP、MAMP、および Docker を使用することが一般的です。以下では、これらのツールのインストール手順と基本的な設定について解説します。

1.2.1. XAMPP/MAMP/Dockerのインストールと設定

XAMPPのインストールと設定

XAMPPは、Apacheサーバー、MySQLデータベース、PHP、Perlなどがパッケージされたオープンソースの開発環境で、簡単にインストールして使用できるのが特徴です。

インストール手順（Windows / macOS / Linux共通）
1. XAMPPの公式サイトにアクセスし、OSに対応したインストーラをダウンロードします。
2. ダウンロードしたインストーラを実行し、セットアップウィザードに従います。
3. インストールが完了したら、XAMPPコントロールパネルを開き、Apache と MySQL サービスを起動します。
4. ウェブブラウザで http://localhost にアクセスし、XAMPPのデフォルトページが表示されることを確認します。
基本設定
- PHPの設定ファイル (php.ini) の編集が必要な場合は、XAMPPのインストールフォルダ内にある php フォルダ内の php.ini を編集します。
- MySQLの設定は、同じくインストールフォルダ内の mysql フォルダにある設定ファイルで行います。

MAMPのインストールと設定

MAMPは、主にmacOSおよびWindowsで利用できるローカル開発環境で、Apache、MySQL、PHPを簡単にセットアップできます。特にmacOSユーザーにとっては使いやすいオプションです。

インストール手順（macOS / Windows）
1. MAMPの公式サイトからインストーラをダウンロードします。
2. インストーラを実行し、ウィザードに従ってMAMPをインストールします。
3. インストールが完了したら、MAMPアプリケーションを起動し、Start Servers ボタンをクリックしてApacheとMySQLを起動します。
4. ブラウザで http://localhost:8888 にアクセスして、MAMPのスタートページが表示されることを確認します。
基本設定
- PHPのバージョン切り替えは、MAMPの設定パネルから簡単に行えます。
- MySQLの管理は、MAMPのインターフェースまたはコマンドラインから可能です。

Dockerのインストールと設定

Dockerは、仮想化技術を利用して、環境をコンテナとして分離・管理できるツールです。PHP環境を柔軟に設定できる点が特徴で、特に異なる環境での開発やテストに向いています。

インストール手順（Windows / macOS / Linux共通）
1. Dockerの公式サイトからDocker Desktopをダウンロードし、インストールします。
2. インストールが完了したら、Docker Desktopを起動します。
3. コマンドラインで、次のコマンドを使ってPHP環境をセットアップします。
```
docker run -d -p 80:80 --name my-php-app -v "$PWD":/var/www/html php:7.4-apache
```
  これにより、PHPが動作するApacheサーバーが立ち上がり、ローカルディレクトリがコンテナ内の /var/www/html にマウントされます。
基本設定
- Dockerfileを使用して、特定のPHPバージョンや追加の拡張機能をインストールしたカスタム環境を作成できます。
- MySQLなどの他のサービスも、Docker Composeを使ってまとめて管理可能です。

1.2.2. 初めてのPHPスクリプトの実行方法

PHP環境のセットアップが完了したら、実際にPHPスクリプトを実行してみましょう。ここでは、簡単な「Hello, World!」スクリプトを使って、PHPの動作確認を行う方法を解説します。

XAMPPでのPHPスクリプトの実行

XAMPPを起動
まず、XAMPPコントロールパネルを開き、Apache サーバーを起動します。
PHPスクリプトの作成
XAMPPをインストールしたディレクトリ内にある htdocs フォルダに、新しいPHPファイルを作成します。
例: C:\xampp\htdocs\hello.php

作成したファイルに以下のコードを入力します:
```
<?php
    echo "Hello, World!";
?>
```
ブラウザで確認
ウェブブラウザを開き、次のURLにアクセスします:
```
http://localhost/hello.php
```
画面に「Hello, World!」と表示されれば、PHPが正常に動作していることが確認できます。

MAMPでのPHPスクリプトの実行

MAMPを起動
MAMPアプリケーションを起動し、Start Servers ボタンをクリックしてApacheを起動します。
PHPスクリプトの作成
MAMPをインストールしたディレクトリの htdocs フォルダに、新しいPHPファイルを作成します。
例: C:\MAMP\htdocs\hello.php （Windowsの場合）
例: /Applications/MAMP/htdocs/hello.php （macOSの場合）

以下のコードをファイルに入力します:
```
<?php
    echo "Hello, World!";
?>
```
ブラウザで確認
ウェブブラウザで次のURLにアクセスします:
```
http://localhost:8888/hello.php
```
「Hello, World!」と表示されることを確認します。

DockerでのPHPスクリプトの実行

Dockerコンテナの作成と起動
DockerでPHPを実行するには、コンテナを使います。以下のコマンドでPHPとApacheを含むコンテナを作成・起動します:
```
docker run -d -p 80:80 --name my-php-app -v "$PWD":/var/www/html php:7.4-apache
```
PHPスクリプトの作成
コンテナ内の /var/www/html ディレクトリは、ローカルのカレントディレクトリにマウントされています。
つまり、カレントディレクトリに hello.php ファイルを作成すれば、コンテナ内で認識されます。

例: hello.php
```
<?php
    echo "Hello, World!";
?>
```
ブラウザで確認
ウェブブラウザで次のURLにアクセスします:
```
http://localhost/hello.php
```
「Hello, World!」と表示されれば成功です。

1.2.3. 基本の開発ツール（エディタ、ブラウザ）

PHPを使った開発を行う際には、コードを書くためのテキストエディタと、結果を確認するためのウェブブラウザが不可欠です。ここでは、PHP開発において役立つエディタやブラウザ、そしてその選び方について説明します。

テキストエディタ

テキストエディタは、PHPコードを書いたり編集したりするためのツールです。シンプルなエディタから、高機能な統合開発環境（IDE）まで、開発者の好みや必要な機能に応じて選ぶことができます。

ウェブブラウザ

PHPコードを実行して動作確認をする際に、結果を表示するためのウェブブラウザが必要です。どのブラウザでもPHPの結果は基本的に同じですが、開発者向け機能が充実しているブラウザを使用することで、より効率的な開発が可能になります。